オンラインシンポジウム「『竹で稼ぐ男たち』のストーリー」を開催しました。
第16回大阪アジアン映画祭のイベントのひとつとして、2021年3月10日20:00~21:30にオンラインシンポジウム「『竹で稼ぐ男たち』のストーリー」を開催しました。
このシンポジウムは、映画祭での上映作品『竹で稼ぐ男たち』(Bamboo Stories)の監督であるシャヒーン・ディル・リアズ氏と音響のマシュール・ラフマン・マスード氏をパネリストにお迎えし、南出准教授の司会、本学⼤学院⽂学研究科博⼠前期課程通訳翻訳コースの小林由香さんの通訳で実施されました。
ディル・リアズ監督からは、バングラデシュからドイツに渡り、映画を撮ることになったいきさつや、『竹で稼ぐ男たち』にこめた想いなどお話くださいました。自然とそこに生きる人々を丁寧に追うことに焦点をあて、そこから経済や社会構造の問題が立ち現れてくるというお話、ドローンを使った圧倒的な自然描写、登場人物との関係の築き方、さらには外から見た母国バングラデシュについてなど、興味深いお話をうかがいました。マスード氏からは夏の竹林での音響を担当された時のエピソードやバングラデシュの映画産業の今についてうかがいました。登場人物が思うような動きをしなくてもそのままフィルムを回し続ける監督の手法、それによって作り出される自然な映像のことにも言及してくださいました。
ディル・リアズ監督は、参加者からの「バングラデシュに行きたくなりました」というコメントには「ぜひ都会ではなく地方を訪ねてください」と、また「日本で映画を撮るならどんなテーマで」という質問には「仏教の寺院と僧侶の生活を」とのことでした。映画が伝えることのできる人々の物語で、人と人とを近づけたい、と心に残るメッセージをくださいました。
この映画の日本語字幕を制作した学生たちのみならず、同日に上映された作品を見られた方々、またバングラデシュに関心のある方々など、約50人の参加を得て、ドイツ、バングラデシュ、日本の3カ国を結んでのオンラインシンポジウムはあっという間の1時間半でした。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。