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第17回大阪アジアン映画祭『地のない足元』上映/オンラインシンポジウム「バングラデシュ・シネマスコープ」開催

第17回大阪アジアン映画祭が3月10日(木)から開幕し、13日(日)に「チーム神戸女学院大学文学部英文学科」の学生が日本語字幕を制作した『地のない足元』“No Ground Beneath the Feet”(2021年 モハンマド・ラッビ・ムリッダ監督作品)がシネ・リーブル梅田で上映されました。
ムリッダ監督のデビュー作であるこの映画は、故郷の村に住む両親と妻子を支えようと首都ダッカで働く主人公サイフルの物語です。彼は懸命に働いてはいるものの、心の弱さもあって数々の苦難に見舞われ、状況を打開しようとしてさらなる災難に巻き込まれてしまうという悪循環の中でもがきます。故郷の村は洪水に吞み込まれ、サイフルの家族が濁流の中を生き延びようと必死の努力を続ける姿は、ダッカでの彼自身の生活と同様、映画のタイトル「地のない足元」そのものです。
過酷な現実を生きる人々を描いた映画だけに、セリフには日本語にするのが難しい乱暴な言葉や罵り言葉もたくさんあり、短い言葉の中に込められたそれぞれ人物の性格や想いを表現するのは、字幕翻訳をした学生にとっても難しい挑戦だったと思います。
会場はほぼ満席で、エンドロールが流れるスクリーンに大学名と学生たち、先生の名前が映し出され、映画が終了すると、温かい拍手をいただくことができました。
映画館に足を運んでくださったみなさま、ありがとうございました。
翌3月14日(月)には、大阪アジアン映画祭のイベントのひとつとして、本学英文学科南出准教授の司会と逐次通訳によるオンラインシンポジウム「バングラデシュ・シネマスコープ」(Cinemascope of Bangladesh)が開催されました。
前半は、バングラデシュ映画研究者のファミドゥル・ホック教授(米国バード大学)による、バングラデシュ映画の歴史についてのお話を聴きました。映画史の始まりにおいてインド映画の歴史を共有しながらも、印パ戦争による映画輸入禁止、また1971年のバングラデシュ独立により、バングラデシュ映画は独自の発展をとげています。独立戦争や家族、農村の生活を主に描く1971年のバングラデシュ独立直後のインディペンデント映画(インディーズ映画)第一世代、グローバル化を題材に都市化と地方の問題を扱う第二世代、現在は海外の資金を得て海外で制作し、グローバルなマーケットで発表する作品が増えていることなど、初めて知ることがたくさんありました。続いて、『ノー・ランズ・マン』のモストファ・サルワル・ファルキ監督、『地のない足元』のプロデューサーであるアブ・シャヘド・イモン氏から、それぞれの作品について、参加者からの質問に答える形でお話をうかがいました。『ノー・ランズ・マン』は社会から他者として排除される者の苦悩を描いた作品で、着想から完成までに10年以上を要し、ファルキ監督にとって、完成後も何度も見返す愛着のある特別な作品である、とおっしゃっていました。『地のない足元』のムリッダ監督は次の作品の制作のためダッカを離れておられたため、インターネットの接続が悪く、残念ながら参加していただくことはできませんでしたが、映画監督でもあるプロデューサーのイモン氏から、オリジナル脚本を読んでぜひ映画を作りたいと思い、制作費を負担し、資金調達に奔走した、というこの作品への熱い想いをうかがうことができました。洪水や嵐のシーンを含め、ほとんどがあるがままの状況での撮影だったそうですが、それが次のステップへの学びにもなった、とおっしゃっていました。
字幕翻訳プロジェクト参加学生のほか、映画を観てくださった方々、バングラデシュに関心のある方々など、約50名に参加していただき、バングラデシュ、アメリカ、日本を結んでのオンラインシンポジウムを無事に終了することができました。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

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