仁川学院高等学校との高大接続講座が始まりました。
2021年12月に神戸女学院大学は仁川学院高等学校と高大連携に関する協定を締結し、2022年度、英文学科の4名の教員が「アイデンティティ」を共通テーマに模擬授業を担当する、高大接続講座が始まりました。
その第1回が9月30日(金)に行われ、仁川学院高等学校2年生約70名が岡田山キャンパスに来学、古東専任講師による90分の模擬授業を受講しました。
古東先生のテーマは「アメリカ文学とアイデンティティ」。授業は「自分が特定の集団に属していると感じていますか」、「自分の民族的なアイデンティティについて考えたことはありますか」といった先生からの問いかけから始まり、アメリカ文学でアイデンティティがどう扱われているかについての講義、エスニック文学の紹介、そして先生といっしょにアメリカ文学作品の日本語訳も。
第2回は10月19日(水)仁川学院高等学校で、松尾教授による120分授業が行われました。
昔は、大人になるとアイデンティティはひとつの確立したものになるとされていましたが、最近では、アイデンティティはダイナミック(動的)でマルチなものだと言われています。そうしたマルチなアイデンティティを持つ人、多様な環境、文化的背景を持つ人は、「コードスイッチ」と言って、状況に合わせて使う言語を変えたり、日本語の方言を2つ操ったり、また女性語と男性語を使い分けて自分のマルチなアイデンティティを表現します。そんな「アイデンティティと言語」の講義でした。
文学と言語の分野からアプローチする2つの「アイデンティティ」の授業、大学の授業の雰囲気を少し味わっていただけたでしょうか。受験勉強で忙しくなる時期だと思いますが、模擬授業が、いろいろなことに興味を持って、いろいろな角度から物事を見るきっかけになれば嬉しいです。
★写真は仁川学院高等学校からご提供いただきました。